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元プロ野球選手 八木裕氏からの対談・インタビュー記事が公開されました!

2022/12/26

(取材・公開元:B-Plus 仕事を楽しむための WEBマガジン)

八木 大阪府豊中市を中心に北摂エリアで活躍する完全予約制のリハビリ&コンディショニングラボ KITA(キタ)さん。来田代表は理学療法士の資格をお持ちで、腰痛や肩こりなどの不調がある方、体にまだ課題があるものの保険下でのリハビリに制限がある方など利用者さんの自宅を訪ねて施術をしてくれるそうですね。コロナ禍もありますし、何らかの事情で外出が難しい方、特にご高齢の方にはありがたいサービスだと思います。まずは理学療法士になった経緯を教えてください。

来田 私の父は漁師をしており、長年肩を酷使した結果、石灰がたまって腕を上げられなくなってしまったんです。それで手術をしてリハビリ期間に入ったときに、機能回復に向けて理学療法士の方が支援をしてくれたおかげで、自宅でも自主トレを続け、父は復帰できました。父の不調は家族にとってもつらい出来事でしたから、多くの人を助ける仕事に憧れを抱き、私も理学療法士を目指すことにしたんです。

八木 お父さんだけでなく自分も救ってくれた仕事に憧れて、資格を取得されたわけですね。

来田 ええ、資格取得後は総合病院に勤務し、入院患者への対応と訪問リハビリ診療も担当し地域に貢献していました。そんなある日、日本語も英語も話せないブラジル人の男性が太ももを骨折し搬送されてきたんです。手術後は私がリハビリを担当し、身ぶり手ぶりで懸命に意図を伝えて回復に努めました。彼いわく、母国の家族を養うため必死で働いていたけれど経済的に帰国は難しく、帰国できてもリハビリ施設などないということだったんです。それで海外、特に途上国でのリハビリに微力ながら貢献したくなり、JICA 青年海外協力隊としてフィジー共和国に飛びました。小国のフィジーでは当時、国内の理学療法士は36人だけ。病院には理学療法士がいても、地域には0人という状態でした。それで私は、病院と地域が連携して、退院された方にリハビリの支援をする仕組みづくりに尽力したんです。
八木 素晴らしい行動力です。帰国後はその経験を活かして新たなチャレンジができたことと思います。

来田 ええ、帰国後はまた病院に勤めて、リハビリデイサービスの仕事を任されました。その後、訪問リハビリ事業の開設を任命いただき、運営にも関わり、経験を積むことができました。そのときに感じたのは、皆さん施設では訓練をしっかり実践できるものの、ご自宅では指導した内容を実践するのが難しいということです。また医療保険・介護保険下での上限により希望されてもそれ以上は自由にサービスを利用できず、そもそもその受け皿も極めて少ないことがわかりました。そこで皆さんのご自宅の環境や状況に応じて、保険に捉われずお手伝いができないかと考え、これまでの経験も活かして独立したんです。現在はご自宅や施設に訪問してリハビリや整体、スポーツコンディショニングの施術を行っています。利用者様からヒアリングをしっかりと、丁寧に行って、目的や目標を共有した上で、オーダーメイドの施術をしております。
八木 経験豊富な来田代表が訪ねてきて親身に対応してくれれば、地域の方にとってはありがたいでしょうね。

来田 その他にも地域の皆さんのご希望もあって、健康塾を開催しています。ご参加いただいた方々に健康に役立つ知識をご紹介し、終了後は個別にご相談もお受けしています。皆さんのお話を聞くことは、施術の際に行うヒアリングにも役立っていますね。また、「とよなか健康大学千里校」で健康増進・介護予防に向けた、講義も担当しているんですよ。

八木 ご経験を活かして地域に根差した健康増進活動をしていることが、よくわかりました。それ以外にも、大阪桐蔭高校や福井工業大学附属福井高等学校のコンディショニングトレーナーとしてもご活躍していると聞いています。

来田 外傷や慢性的な痛みを抱えたアスリートのケアやケガ予防のサポートをしています。そういえば、八木さんは2023年から日本ハムファイターズのバッティングコーチに就任されるそうですね。それもあって、今回、このような機会をいただけて非常に嬉しく思っています。日ハムには関わりのあった大阪桐蔭出身の選手も頑張っていますから。

八木 それは奇遇ですね! アスリートにとってケガは、内容次第で今後の競技人生を左右しかねません。来田代表のような専門的知見を持つ方にしっかりとサポートしてもらうことが非常に大事です。

来田 私はこれまでに力不足だと感じたことが何度もありますので、今後もアスリートや地域の方々のために、知識を深めて技術を磨いていきたいです。

八木 野球に携わる私としては、こういった謙虚に努力される方が選手に寄り添い、サポートをしてくれるのは頼もしいと感じました。つらい症状に悩む皆さんのよりどころとして、地域になくてはならないラボになっていくでしょう。期待していますよ!

「仕事を楽しむ」とは‥
利他の想いで活動することに幸せを感じます。その結果として相手に喜んでもらえる瞬間が最高ですし、それが私のやりがいです。

(来田晃幸)